ガーデニングライフ in ニュージーランド

憧れのメドウガーデン

昨年末に越してきた田舎の山小屋。家はコンパクトだけど、土地がめっちゃ広い。聞くところによると、6000平米あります。

庭がやりたい!畑がやりたい!と言う私の願いを聞いた主人が探してきた物件なんだけど。

庭というより、どっちかというと丘の一部というか。そう、丘陵地の一部なので平らな部分があまりないのです。景色は最高です!!

オーナーさんも私の好きなようにお庭やっていいわよ!と好意的なのですが、なんてったって広すぎて。どこから手をつけていいかという感じでした。

とにかく草ぼうぼうにしているとダメって事で、草払いの機械は購入して、夏の間は主人が必死に草刈りをしてました。

でもね、見て!こんなに可愛い恐らくブタナ(名前はともかく)が一面に咲くとなんとも可愛らしい景色に。午前中に一斉に咲いて、午後にはしぼんじゃいます。ミツバチたちが必死に蜜か花粉集めをしているのか、たくさん飛び回ってましたよ。で思ったんです。こういう景色好きだなーと。

火事を気にする近所!?

大抵庭の草がぼうぼうだと、日本の場合は蚊がたくさん出るだとか、物騒だとか、田舎だと蛇が出るとか、ハチが巣を作っちゃうとか心配するよね。

こっちは夏めっちゃ乾燥します。それで、山火事が起こらないようすごく気にしている。我が家も週末になると部分を決めて草刈りしてたけど、一部がずっと残ってしまっていたのです。こっちは乾燥するから、夏も中盤になるとその草が枯れて茶色の乾燥した草原になっちゃいます。で、近所のおばさまが枯れた草を気にして、火事になっちゃうと消防署に刈り取ってもらえないかとクレームを入れたようで、オーナーさんから連絡が入っちゃいました。

ちょうど機械が壊れちゃって、1ヶ月くらい刈れなかったんだよね、、、って言い訳です。すみません。急いで刈りました。

そう言えば、数ヶ月前にブッシュウォーキング(こっちでは山というか丘を歩く事をそう呼びます)していたときに、山火事に遭遇してびっくりした記憶が。生えている草が山火事を広げる原因になるなんて、こっちに住むまで想像もしなかった事。国が変わると、気にするポイントも色々違ってくるんだなあと。

通常の個人邸のお庭でも、夏の間は「刈り高」を高めにして枯れないように注意したりしている。

刈り高って、芝生の刈る高さの事。低くこまめに刈った方がゴルフ場みたいな芝生になって素敵なんだけど、日本の場合は雑草も生えやすいし、かなりの頻度で刈らないといけない。私が造園会社に勤務している時は、一般家庭では3センチくらいの少し高めを推奨してました。刈る頻度も少なくて済むしね。

話はニュージーランドに戻って、周りの山々というか丘は夏になるにつれて一面茶色っぽくなっていくのが通常。で、雨が少ないせいなのか、土地柄なのか、すごく土が貧弱で硬い!!だから、日本みたいな色んな種類の雑草が生えるってことがあまりないように思うのです。水やりしたところは雑草が次々出てくるから、やっぱり水が少ないのが一番の原因なのかなと思ってます。そして多様性っていう視点から見ても、あまり生えている草のバリエーションが少ない気がする。そのせいか、土もガチガチのような?これどうにかしたいなあ、でも資材を入れていくにも広すぎるし費用もかかるし、という事で考えました。

そうだ、メドウガーデンを作ろう!

日本にいたときに「No Dog Garden」(ノーディグガーデン)つまり耕さずに土を肥やす方法を試みてました。一部の畑と、その考え方を利用して、お庭も徐々に肥やしていこうと思い、草を刈っては庭に敷き込んで米糠をまくって作業。結果、数年しか試みれなかったけど、少しずつ土がよくなっていった経験があって。だから我が家も刈った草はそのまま放置にしました。こっちは湿気はないから蒸れる心配はない。しかも夏の乾燥を防いでくれるかなと。あと刈り高をかなり高めにしたせいか、周りのお庭が茶色になっていく中、真夏も青々していました。

でも、やっぱりお花が欲しいなーと。今現場で生えている草も素敵で、部分的にノコギリソウが群生したり、きれいな部分はあるんです。そこへ少し手を入れてメドウガーデンのようにしたら素敵だろうなーってずっと思っていたんです。イメージとしては、Piet Oudolf(ピエト・オウドルフ)さんの作るような風を感じるお庭。ああ、あんなお庭があったらなんて素敵なんでしょう!!!

彼は最近では日本のガーデン業界ではかなり有名人だと私は思っていますが、どうでしょうか?オランダのランドスケープデザイナーさん。ニューヨークにある、ハイラインのガーデンデザインして一躍有名になった印象です。

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でもね、私はこの家に何年住むかわからないから長期ではあまり色々できないのです。ピエトさんのドキュメンタリー映画見たけど、自然に見える彼のお庭も短期では実現は難しそうだし、やはりコントロールしてこその景色なんだと実感。だから、今回私はピエトさんのイメージとメドウガーデンのアイデアを組み合わせて短期でなんかできないかなと考えています。

条件としては、

  • 水まきができない。広すぎるし、ホースが届かない。
  • 現在の草を剥がして耕して、というやり方では労力がかかりすぎる。ので現状を極力生かしたい。
  • 秋から準備して春には少しでも結果がみたい

早速やったのは、園路にできる部分だけ刈り高を低くすることで、多様性をここは無くしてグラスだけを生やすように。植物ってのは成長点がそれぞれ違っていて、グラスは低い位置で刈っても出てくる。でもデリケートなお花の類いはあまり低くかると刈れちゃうものもある。で、園路はグラスでいいので、低く。その他の部分は、今ある多様性(あまり多様性がない状況だけど)を少しでも生かそううと少し高めに刈ったもらったよ。ちょっと私が想像したより低くかられちゃったんだけど、、、。まあ、いいか。

それが夏の終わりの話。秋の風も感じ始めたし来春の準備をするにはちょうど良い時期かなと、という事でメドウガーデンの作り方の本を借りてきたよ。

How to make a Meadow Garden

ここの土地の半分は森です。ネイティブプランツがたくさん生えているし、できればネイティブを意識して作りたいと始めは思っていました。

オーナーさんは実は大学でサステイナブルの研究をしている方ということもあって、ネイティブプランツが大好きだし、コンポストも買うならお金出すわよ!とまで言ってくれて、なんとも素晴らしい方。

聞いたら、もちろんネイティブプランツのお庭が大好きだけど、部分的にカラフルな園芸植物もいいわね!と言っていたので、ならば大丈夫かなと。

そうそう、ニュージーランドのネイティブプランツって、とっても変わった植物が多いんだけど、常緑が多くて、緑や茶色、赤い葉など日本人の私からみたら面白い植物がたくさん!森やその周辺の部分は別にしても、この丘部分に関しては現状を生かしつつ、メドウを足して景色を作れればなあと思っています。

借りてきたのはこの本。いいアイデアもらえそうワクワク!イギリスの本だけどね。

How to make a Wild Flower Meadow by James Hewetson-Brown

色々なシチュエーションでのメドウガーデンの作り方が書いてあって、すごく実践的な本。個人宅から、ガーデンショー、道路脇の緑地帯、屋根上などなど。で、「From pastureland to wildflowers」(牧草地からメドウガーデンを作る方法)ってのを発見!これこれ、私が求めていたのは。って事で読み始めたけど、結構単語が難しい、、、。えー、がんばります!

さて、どうなるか!?

  • この記事を書いた人

naomigarden

現在日本の雑誌の挿絵制作やガーデン関連のライティングやコラムの執筆をしつつ、現在住むニュージーランドではランドスケープデザイナー、ガーデナーとして活動。シンプルで環境により優しい生活がしたい!!と、できる所からサスティナブルライフを実践中。元気盛りの男児2人の子育て真っ最中。

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