南半球ニュージーランドは今が春。ロックダウン中のホームラーニングで、9月1日に息子たちの先生が皆口をそろえて「春の1日目ね!」と言っていた。そうか9月は春なんだ。ようやくあべこべの季節感に慣れてきたかな?
と言う訳で、9月ももう半ば、そろそろ桜が満開になるかならないか、私的にはかなりそわそわしている。
ニュージーランド人はネイティブプランツ(自生植物)にかなりこだわりがあって、特に公共施設ではネイティブプランツをメインに植えている所が多いように思う。でも、この桜に至ってはニュージーランド人の心をガッチリ掴んだのだろうか?結構色々なところで見かけるよ。
さて、桜というとどうしてもソメイヨシノのイメージが強いけど、実は色々ある。住む場所にもよるけれども、咲く時期も少しずつ違ったりするって知っていた?
関東基準だと、寒緋桜、豆桜、大島桜、ソメイヨシノ、その後締めが八重桜のイメージだった。ちょうどソメイヨシノや八重桜は春の種まき時期の指標になっていたりもする。
今ニュージーランドでも比較的冷涼な気候のクライストチャーチ に住んでいると、それらの桜の咲く時期のズレはあまり感じず、さらにはスモモや桃も一斉に咲き始める印象だ。両親が北海道に住んでいた時に、梅桃桜がもう同時と言っても良いぐらいのタイミングで一斉に咲くのよ!と言っていたのを、この季節にいつも思い出す。確かにちょっと北海道に似たような気候かもしれない。雪がほとんどないので、冬以外はとしておこう。(冬は関東の冬よりマイルドなイメージ)
さらに言うと、水仙もシャクナゲ、ジンチョウゲ、ツバキ、モクレン、コブシ、ヘレボルス(日本だとクリスマスローズ って呼ぶかもね)も、今見事に咲いている。日本の2月から5月がいっぺんにきた感じ。もうこれでもか!!ってくらい春は一気に押し寄せている。
ソメイヨシノの不思議?
現在ソメイヨシノは、もうすでにほぼ満開になっているものもあれば、ふっくらした蕾のところもある。おおよそ4割くらいが開花したかなあという感じ。
息子たちの小学校のすぐそばの公園の中に、倉敷ガーデンと呼ばれているエリアがあって、この写真はその一角。なぜか灯籠に向かって飛び石?私的にはとっても気になるが、まあ良いとしよう。きっと色々な経緯があって、このようになったんだと思う。海外で見るJapanese Gardenは、あれ?中国的な建て建物が?とか神社の鳥居がなぜここに?みたいな事があるけど、ここの公園はそう言った混ぜこぜはないし、何より大仏とか変なモニュメントがないだけ良いとしよう。
背景にコルジリネ・オーストラリスがあるところが、なんともニュージーランドだなあと思う。私だったら、桜の手前につつじの灌木を設置してそこの中に灯籠を設置するかなー。で、飛び石の先には水鉢を置くかなー?なんて思うけど、良いんだ!ここはニュージーランド。
もう1ついつも気になるのが、桜の枝の継ぎ目。こちらに来てまだ2年だから全部がそうとは言い切れないけど、大抵のソメイヨシノの木はズドンとまっすぐ幹が伸びて、ここで継いだんだなあという部分があって、そこから枝別れしている。だから日本のように背の高ーい桜とか、枝振り、根張りの見事な桜がほぼないような気がする。なんか接木のルールとかあるのかなあ?すごい不思議。
この木はその継ぎ目あたりにも花が咲いていたんだけど、なんか可愛いよね?
寒緋桜も見事に開花
そして、市の中心部Hagley Park(ハグレーパーク)のボタニックガーデンで見事に咲いていたのは寒緋桜(Prunus campanulata 'Superba')!!寒緋桜もソメイヨシノもほぼ同じ時期に咲くって事が私の中で証明された。やっぱりちょっぴり寒緋桜の満開度の方が早いけどね。
このピンクがなんとも可愛い!調べたら沖縄で桜と言えばこの寒緋桜だそうで。この綺麗なマゼンタピンクがまた良いよねえ。
足元の下草たち
さて、桜の季節に咲く下草って私の中ではすみれのイメージ。よく山桜を見に出かけるとすみれもあちこちに咲いていて、それを見るのが楽しみだった。
こちらではもちろんすみれも咲いているけど、ふと見たら、なんとカタクリが咲いている!!桜よりも少し早い超早春のイメージだけど、やっぱりこちらでは一斉になんだね。
カタクリは種子から開花まで8年の歳月がかかるっているので有名。開花したら、そのあと夏には地上部分が枯れて見えなくなっちゃう。「スプリング・エフェメラル」の1つとしても認知されている。エフェメラルって短命、儚いって言う意味があるから、まさに早春のわずかな瞬間に楽しめる儚い春の花の代表だよね。植物界のセミみたいなものかな?でもセミは申し訳ないけど、あまり好きではないけど、、、。
でもカタクリってこんなに葉っぱに模様が入って美しかったっけ?って思った。今まで模様があるなんて、気がつかなかったなあ。よく見ると緑のみの葉もあるから模様も個体差があるのかな?と思ったり。これって花もすごく可愛いけれども、それに引けを取らず葉も素敵!って事に気づいたよ。
一気に春が押し寄せて、気分もウキウキ。ただ、デルタ株の感染でニュージーランドも現在厳しいロックダウン中。市中感染のあったオークランドは一番厳しいレベル4。私の住むクライストチャーチ もまだレベル2の状況。完全に解除になったわけではないのが現状。来週月曜日に今後のレベルが発表されるみたいだけど、さあどうなるかな?
先の見えない世の中、だけど植物たちは毎年のように季節が来るとこうやって花を咲かせている。私も日々できる事を着実にやっていこうって思った、そんな春の1日。