アート活動

蝶と渡り

私は植物を描くのが大好きで、その傍らにハチや蝶を描くことも多い。でもね、蝶を絵にするのは好きなんだけど、実際畑やお庭の大切な野菜や植物が芋虫に食べられるのは、なんとも避けたい状況。そう、だから先日植えたブロッコリーはモンシロチョウよけに虫除けネットをしっかりしました。

ニュージーランドは日本に比べて圧倒的に昆虫が少ない。私の住むクライストチャーチ では、見かける蝶と言えば、モンシロチョウ、もしくはモナークバタフライ。それだけって事はないんだけど、目立つのは本当にこの2つくらいの気がします。

人気の蝶、モナークバタフライ

このモナークバタフライ、かなり人気のある蝶です。日本名だとオオカバマダラっていう名前です。こちらでは、子供も大人もこの蝶を見つけると「あ、モナークバタフライだ!」って喜んでいる。このモナークバタフライが好む植物があるんだけど、スワンプランツと呼ばれてて、唐わたの一種の一年草。春から初夏にかけて園芸店でもこのモナークを育てるための植物として売られている。だから植物ふだって通常花の写真を載せてるけど、このスワンプランツの場合、芋虫の写真が印刷されていたりする。結構これ驚いたんだけど、、、。

数の減少が懸念されているらしく、この蝶を育てて増やそう!生物多様性の一環としてこの蝶を守ろう!っていう活動の一環としても、このスワンプランツが売られています。その活動に共感した人が買うっていうシチュエーションもあるみたい。

今年の夏に息子のピアノの先生宅に伺った際、たまたまお庭に芋虫さんがたくさん孵化していて、見せてもらった写真がこれ!芋虫苦手な人はスルーしてね。

芋虫→さなぎ→蝶

蝶の魅力ってこの変化だと思うんです。そして、このモナークバタフライのさなぎがなんとも美しい。エメラルドグリーンのさなぎにちょんと金色のあしらいがあって、なんとも上品でおしゃれ。ちなみに、スワンプランツを食べ尽くした後、どうやら紫陽花の葉裏にサナギを作った個体の1つ。

成虫になった姿は、飛び方もとっても優雅。このさなぎが羽化する直前がさらに美しいらしく、さなぎをあえて持って帰って室内で鑑賞する人もいるみたい。私はまだ見たことないんだけど。

この蝶の魅力はもう1つあって、実は渡りをする蝶という事。メキシコから北アメリカ、その反対と世代交代をしながらも渡りをするという、渡り鳥ならぬ「渡り蝶」としてアメリカなどでは有名みたい。ニュージーランドでは秋から冬にかけては、葉裏などに集団になって越冬するみたい。愛好家たちが冬の越冬ポイントを紹介していたりする。

辿り着いたニュージーランド

何世代にも渡って渡りをするって、本当に不思議。ここへ行きなさい!って教えられる訳でもないのにね。どうやってその方向って決めてるんだろう?生まれる前に決めて来たルートをただひたすら飛ぶのかな?

人間も、モナークみたいに決めて来たルートをひたすら生きているのかもしれないな、なんて思ったり。だって、私もこうして日本から遥々ニュージーランドに渡ってきたけど、気付いたら結果、渡ってきていたという感じ。高校生の時に初めて来た外国が実はニュージーランドだったんだけど、やっぱり何かそういうご縁ってあるよなあと。人生って面白いなと。

さて、私はこれからどこへどんな風に渡りをしていくか!?日々楽しみながら自分に正直に生きていくと、おのずと道が開けていくのかな、なんて思ったりします。そんな思いも込めた1枚がこの作品。

秋を感じ始めるこれからの季節、このモナークバタフライが冬の準備を始める季節。寒い冬は集団で大きな木の葉裏などにじっとしている姿を見れるそうな。モナークバタフライを見て、人生を想う。さて、今年は越冬するモナークでも探してみようかな?

  • この記事を書いた人

naomigarden

現在日本の雑誌の挿絵制作やガーデン関連のライティングやコラムの執筆をしつつ、現在住むニュージーランドではランドスケープデザイナー、ガーデナーとして活動。シンプルで環境により優しい生活がしたい!!と、できる所からサスティナブルライフを実践中。元気盛りの男児2人の子育て真っ最中。

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